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Yakov

2009年01月10日

外交官補足

 ミリショーでバタバタしているので予定変更、一発ネタである。
今回届いた書籍の中に1946年発行の外務省制服着用規定が入っていたのだが、とりあえず以前紹介したグレー服が常勤、(これまた紹介した)黒服がパレード服と明記されているのを確認した。さらに・・・。





我が家にもう6~7年眠っていたベストである。ソ連国家章のボタン(40年以降の将官用、ある時期の警察用、43年以降の検事局、43年以降の外務省が使用)がついていたためどの省庁の服か判断をつけかねていたのだが、この資料にあった裁断図からめでたく外務省用ベスト・・・と確定させることができた。
もともと帝政期から文官はベストが必須だったりしたのだがソ連の官給ベストを入手するのは本当に難しいのである・・・とかいいながら明日のミリショーで着用するつもりだが。

こうして貴重な資料というものは着古されていくのである(笑)。  

Posted by Yakov at 20:46Comments(5)

2009年01月09日

手袋(1)

 本日この秋購入した書籍が到着。例によって室内も頭の方も大混乱である。ああ、明日からミリタリーイベントだというのに・・・もし釣り銭を間違えたら申し訳ない(<さりげなく伏線を張っておく)。
寄る年波でこのブログでも紹介漏れに気がつくことが多いのだが、まあ今回は新しいネタで。



冷戦期ソ連装備では極めて普通のパレード手袋。というかパレード時は手袋は必須なのだが。モスクワやレニングラード、共和国の首都、英雄都市のパレードは白手袋が必須となる。



ウール製の軍手。戦前から殆ど変わっていない。外出服でも常勤でも(将校)野戦でも必要に応じて着用、という奴である。現ロシアでは全軍(陸海軍とも)黒に統一されてしまったようだ。



これまた昔から変わらない野戦ミトン。人差し指だけ別なのはいわずと知れた理由による。手の甲がバイカ(起毛綿)なのは雪を弾くため・・・なのかは知らない。圧縮フェルトの内張りは着け心地こそ悪いが保温性は充分だ。



PXで購入した高級バージョン。本毛皮(ムートン)の内張りで非常に暖かい。高価なので将校が自費で買うために作られたものらしい。まあ下級兵士が自費で買ったとしても先輩に巻き上げられるのは火を見るより明らかであろう。

次回からはもう少し珍しいものを。  

Posted by Yakov at 18:21Comments(0)

2009年01月08日

野戦食器(10)

 本日は多少正統派の軍ネタで。・・・うちで言う正統派というのは世間の異端とも言えそうだが。
ソ連軍初期~50年代初頭まで使われてきたシリンダー型飯盒(日本のマニア間では「バケツ飯盒」と俗称されているアレ)のバリエーションを。



旧ブログで一応は紹介済みなのだが大戦型飯盒というとこのタイプが典型といってよいと思う(もちろんドイツ型飯盒は別にして)。帝政時代の銅製飯盒(この辺も旧ブログで散々紹介したが)に対し、スチール製に緑塗装というのが特徴である(まあスタイル自体違うのだが)。



包囲されたレニングラード製、とロシアでいわれているタイプ。取っ手の付け根がかなり単純化されている。



1927年のアルミ製シリンダー飯盒。ドイツ式飯盒が徐々に普及してきた30年代後半まではこのようなシリンダー飯盒がほぼデフォルトであった。





もちろん琺瑯びきの飯盒も存在した。お馴染みの工場印が見える(笑)。これ以外にもマーブル柄の琺瑯製品を入手したことがある。本体の形状は底の成型が比較的しっかりデザインされていること、取っ手の付け根はかなりシンプルなことが特徴といえるだろう。  
タグ :食器軍用

Posted by Yakov at 17:42Comments(0)

2009年01月07日

懲りずにティータイム。

 暇さえあればティータイム・・・という感じだが。今日は急な来客でバタバタしているのに、テーマだけは妙にのんびりしている(苦笑)。





このブログで文字対応しているかえらい不安なのだが、砖茶(たんちゃ)というお茶がある。どこぞの本で読んだのだが、運搬に便利なように圧縮した屑茶で、モンゴル人がビタミン補給源として好み、かつては重要な交易物であった・・・という。
98年に行ったウランバートルの市場で発見、文字がよく出ている部分を選んで購入したのだが、ともかくかさばり、1kg入り砂糖のような大きさである(厚さも3センチ超)。
グルジア語の型押しが見えると思うがもちろん判読不能。現代のものであって欲しいものだが、帝政期のもの、といわれても信じてしまいそうなたたずまいだ。
え?味?・・・10年後の今でも手元に残っている、ということから察していただきたい。お茶の根っこかと思うような繊維が目立つ怪物体である。

次回も多少お茶がらみの話題で。  
タグ :食品

Posted by Yakov at 19:47Comments(3)

2009年01月06日

Съ Роджествомъ Христовымъ!

 皆様、メリー・クリスマス!
(ロシアではこんな呼びかけはしないのだが)
明日はロシア旧歴の聖降誕祭ということで、本日はそれ系のものを。



例によって大きさの比較物がアレだが、特大の鋳造十字架である(もちろん現代の生産品)。司祭になるべく修行中・・・というわけではないので誤解なきよう。
実はこれと同様の「発掘品」十字架も購入したのだが、国外持ち出しは大顰蹙を買いそうなので友人宅に預けてある。
・・・リエナクメントに使用する、などと罰当たりなことは考えていないので要らぬ詮索はせぬように。



定番デザインの純金十字架。経済危機による金地金の価格上昇の折、あまり大きなものは手が出なくなってしまった(悲)。

聖降誕祭にふさわしからぬ「しけた」話で申し訳ない。気を取り直して、(数日後に迫った旧暦の)新年を気分よく迎えたいものである。  

Posted by Yakov at 17:17Comments(0)

2009年01月05日

野戦食器(9)

 本日はこれまでの落穂ひろいと行きたい(まだ続くと思うが)。紹介漏れがまだ結構残っているのである。





旧ブログのトレンチアートで紹介しそびれていたのを先ほど発見した(笑)。錫だろうか亜鉛だろうか・・・一つ一つ叩き出したのではなく、簡易鋳造で作られた女体スプーン。以前紹介したエロトランプ同様、戦場でのささやかな潤い・・・の象徴のような気がする。素材からしてあんまり健康によさそうではないが、もともと戦場にいるのだからして、「戦死しないこと」の方が最優先なのであろう。





結構大型のマグカップで600cc以上は入ると思う。このような霜降り、というかマーブルというかよく判らない琺瑯製品もよく見かける。写真とかは撮っていないのだが、大戦型「バケツ飯盒」にもこんな感じの霜降り琺瑯引き製品が時々見られるのだ。
・・・製造工場のマーキングはなんというかもう判別不能である。  

Posted by Yakov at 17:20Comments(0)

2009年01月04日

負傷章

 1942年に採用された負傷章は基本的に現代でも使用され続けている。もともと帝政軍で左腕につけていた負傷リボン(当時は金と銀)が元になったもので、まあ正直ただのリボンなのであるが。
かなりきっちりと規定された記章なのだが、ご多分に漏れずバリエーションは物凄い。



大戦型軍服だと大体この位置につく(通常は勲章・メダルから10ミリ上)。重傷は幅5~6ミリの金または黄色、軽傷は暗赤色リボンを43ミリの長さで縫い付ける・・・のが基本だ。



当然ながらこういう専用の織り出しリボンも存在する。そのまま縫い付ければリボン同士の間隔もちょうどいい、という横着者の夢のようなリボンだが、こんな便利なものを手に入れることが出来た兵は極めて少ない。




このリボンと将校野戦肩章の識別リボン(戦闘兵科用)と比較してみよう。ボルドー色と規定された識別リボンは暗赤色とはあからさまに異なるのだが、このリボンを縫いつけた兵がいないことはない。・・・まああるものを使う、という奴である。



左側はまあ規定どおりといっていいと思うが右は・・・リボンの幅、長さ、色と全てにおいて規格外である。まあ戦勝記念日に軍服で繰り出す元軍人とかもいるわけなので「適当に作った負傷章」にダメ出しが出来ない場合もあるのかもしれない。
余談だが、ウクライナの業者に出鱈目な改造軍服(まがい)をe-bayに大量出品する奴がいるのだが(面識はない)何でもかんでもオーバーサイズの負傷章を大盤振る舞いするのでしばらく「負傷章がつく=偽物」というパブロフの犬的心理状態に陥ったことがある。ま、e-bay外ではあまり見たことがないのだが(笑)。



これは映画用衣装についていた手縫い刺繍の負傷章。幅といい長さといい規定を無視しきっているのだが不思議な魅力があるのもまた事実である。・・・でも、重傷章は必ず軽傷章の上につくので画像のような組み合わせはありえないのだが。あとで上の軽傷章を引っぺがしておかねばなるまい(笑)。


88規定書を見るとビニールプリント(台座は軍服の色により様々)の負傷章も存在するようだが、苦労して探すほどのこともないような気がする(爆)。  
タグ :記章大戦

Posted by Yakov at 18:39Comments(0)

2009年01月03日

イレギュラー肩章(1)

 こんな表題だが別にデンビルネタではない。この辺の紹介は真面目にやると物凄い量になってしまうのだが、まあ思いついたときにポツポツという感じで(笑)。今回は1943年型肩章のイレギュラー品を少々取り上げたい。
・・・そういうと「定番とは何ぞや」という説明からしなくてはいけない気もするのだが、(もともと不親切なブログなので)あっさり現物写真の紹介を始めてしまうのだ。

+

裏地からしてどう見てもナチ時代のドイツ製ウールである。表地の金糸織も後の東独海軍袖章によく見られるような折り目になっている。ナチものに関しては無知なのだが、ひょっとすると捕獲した枢軸国海軍記章を素材としたのかもしれない(幅が足りないのでミシンで継ぐ・・・というやっつけ感が素晴らしい)。ちなみに1946~47年のソ連海軍命令書に(官給兵・下士官服用)「捕獲したドイツ海軍のボタンの使用許可」というのが存在する。まあ現代のマニアが実行すると却って高くつくと思うが(笑)。



これまた裏地にドイツ軍ウール生地を使用した医療(法務、軍政も同型)将校の肩章。絹織りの表地といいフォルムといい、つくりは極めて標準的な戦中タイプ、なのだが。



ロシアのマニア間では昔から「ドイツまたはオーストリア製」と呼ばれているタイプで、化繊の混じったような独自の絹織りの表地が使われている。染料の配合が違うのか、歩兵科のラズベリー色が鮮やかでちょっとピンク味がかかって見える。裏地が帽子の汗止めに使うような防水布で出来ているのだが、これまたソ連製とは違ってほつれやすい布なのだ。



写真だとわかりづらいと思うがラズベリーというより紫の強いカーマイン(臙脂虫染料)のような色である。織りの荒いフラノ地がベース、織目こそ規定どおりなのだが妙に光沢の異なり(金属の組成が違うのだろうか)縦織が目立つ金糸織でできている。戦後ハンガリーによく似た星章といい、東欧のどこか(ブルガリアとかユーゴとか)を思わせる変わった肩章なのだ。



これは間違いなくソ連製と思われるNKVD後方部隊(軍政、法務、軍医)の肩章だが、ループ部分の素材として赤ライン将校肩章用の絹織りをぶった切って使用しているのだ。なんとも勿体無い話だが、虫に食われているのもこれまた勿体無い話である(苦笑)。  

Posted by Yakov at 17:38Comments(2)

2009年01月02日

喫煙具追加(1)

 三が日がどうとかいうことはなく、あっさり通常更新なのである。
さて、シガーケースが少し増えたので旧ブログでどれが紹介済みかちょっと確認してみたのだが、どうにも解像度が低くてあまり意味のない紹介だったことに気がついた。多少重複するが、今回は30~50年代くらいのものをまとめて紹介する。



左上は純銀製(プルーフマーク入り)のシガーケースで戦前のもの。94年ごろ骨董品店で購入したのだが、当時の価格は100$強と、まったく今では考えられない話であった。帰国便搭乗時に民警(税関ではなく)に見咎められたが「ちゃんと正規の店で買った」と強引に突っぱねて無事通過させたものだ。その民警は(むかついていたのだろうか)すぐ後に並んだ客(勲章を手持ちで持ち込んでいたらしい)をギュウギュウ締め上げていたようだが、私のせいではない・・・と思いたい。
右上と下は真鍮に銀メッキというメジャーな材質で、購入者が手彫りで細工したもの。生産時期は40年代後半くらいの感じである。



これらも真鍮製で上二つはクロームメッキがされている(下は上の画像の国境警備モチーフの裏面)。
左上のモスクワ土産は赤の広場にある銅像がモチーフ。右上は戦勝記念に妻から夫に贈られた・・・との彫刻があるモスシュタンプ工場製贈答ケースである。下のケースには最初期の国境警備優秀バッジがねじ込んであるが、わざわざPXでもう1個買ったのだろうか。



市販品の裏面の例。いろいろなデザインが興味深い。馬というのはシガーケースのモチーフとしてはけっこうな定番である。



右下(スチールにクロームメッキ)以外は真鍮製である。左上には手彫りで国境警備30年の彫刻がしてあるのだが、その上からさらにメッキがかけてあるのが面白い。ある程度まとまった単位で発注されたのかもしれない。右上の狩猟モチーフ、左下のВДНХ(戦前の当時はВСХВだが)もかなりメジャーなテーマである。右下のスポーツマーク(ГТО:労働と国家防衛への準備)には1940とディナモ・НКВДの文字が手彫りで加えられている。



右は先の画像にある狩猟モチーフの裏面。左には陸軍兵・下士官優秀賞がねじ込んであるが、バッジ本体が70年代のアルミ製であるのに対して本体は50年代以前の結構な時代物である。手持ちの私物を改造したのだろうか。  

Posted by Yakov at 19:49Comments(0)