2016年07月31日
再録441・武装警備員(3)
今回はちょっと古めの写真資料でも。数年前に何気なく購入した古いフォトアルバムなのだが、純粋なソ連軍マニアには何の役にも立たず、世界に15人くらいいるキワモノマニアだけが反応する、という代物。なのでほんの一部だけの紹介にとどめよう。
タイトルから1940年9月にモスクワで行なわれた「民間航空省の武装警備員運動会」の記録であることがわかる。
投擲競技。当然ながら民間航空省の職員(及び空軍将校)も来賓で参加しているはずなのだが武装警備員はカーキ色のギムナスチョルカ(治安機関型のボタン露出式)を着てブーツを着用しているので区別できる。警備員も制帽は民間航空省(要するにアエロフロートである)のものを着用しているようだ。(2006年7月更新、民間航空省の項参照)
元写真はかなり鮮明なので制帽のボタンまではっきりわかるが制服のボタンが何なのかまではわからない(…アエロフロート、軍タイプ、星+交差ライフルのどれなのだろうか)。指揮官の場合、軍と同型のバックルベルトを、下士官は軍タイプ兵用シングルピンバックルベルトを着用している。
ここで面白いのが襟章で、民間航空省では「羽の生えたプロペラ」が階級ピプであるのに対し、武装警備員では「羽の生えたプロペラ」は空軍同様に「兵科章」の扱いであり、階級は現ロシア軍によく似た星章の数で表す、というシステムなのがわかる。
…ことほど左様に警備員の制服は難しい。同時代でも担当部局で相当な差異があることがお判りいただけたのではなかろうか(どうでもよい、とか言われると少し悲しい…)。次回からは再び戦後編を。
Posted by Yakov at 22:02│Comments(0)