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Yakov

2009年01月03日

イレギュラー肩章(1)

 こんな表題だが別にデンビルネタではない。この辺の紹介は真面目にやると物凄い量になってしまうのだが、まあ思いついたときにポツポツという感じで(笑)。今回は1943年型肩章のイレギュラー品を少々取り上げたい。
・・・そういうと「定番とは何ぞや」という説明からしなくてはいけない気もするのだが、(もともと不親切なブログなので)あっさり現物写真の紹介を始めてしまうのだ。

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裏地からしてどう見てもナチ時代のドイツ製ウールである。表地の金糸織も後の東独海軍袖章によく見られるような折り目になっている。ナチものに関しては無知なのだが、ひょっとすると捕獲した枢軸国海軍記章を素材としたのかもしれない(幅が足りないのでミシンで継ぐ・・・というやっつけ感が素晴らしい)。ちなみに1946~47年のソ連海軍命令書に(官給兵・下士官服用)「捕獲したドイツ海軍のボタンの使用許可」というのが存在する。まあ現代のマニアが実行すると却って高くつくと思うが(笑)。



これまた裏地にドイツ軍ウール生地を使用した医療(法務、軍政も同型)将校の肩章。絹織りの表地といいフォルムといい、つくりは極めて標準的な戦中タイプ、なのだが。



ロシアのマニア間では昔から「ドイツまたはオーストリア製」と呼ばれているタイプで、化繊の混じったような独自の絹織りの表地が使われている。染料の配合が違うのか、歩兵科のラズベリー色が鮮やかでちょっとピンク味がかかって見える。裏地が帽子の汗止めに使うような防水布で出来ているのだが、これまたソ連製とは違ってほつれやすい布なのだ。



写真だとわかりづらいと思うがラズベリーというより紫の強いカーマイン(臙脂虫染料)のような色である。織りの荒いフラノ地がベース、織目こそ規定どおりなのだが妙に光沢の異なり(金属の組成が違うのだろうか)縦織が目立つ金糸織でできている。戦後ハンガリーによく似た星章といい、東欧のどこか(ブルガリアとかユーゴとか)を思わせる変わった肩章なのだ。



これは間違いなくソ連製と思われるNKVD後方部隊(軍政、法務、軍医)の肩章だが、ループ部分の素材として赤ライン将校肩章用の絹織りをぶった切って使用しているのだ。なんとも勿体無い話だが、虫に食われているのもこれまた勿体無い話である(苦笑)。  

Posted by Yakov at 17:38Comments(2)