QRコード
QRCODE
アクセスカウンタ
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 14人
プロフィール
Yakov

2016年07月30日

再録135・軍靴(3)

 今回も軍靴である。ちょっと変則的な例を中心に紹介しよう。

再録135・軍靴(3)

クロム革で作られた将官用ブーツ。胴の後部にある縫い目が丁寧かつ目立ちにくい構造となっている。ロシアの軍用長靴は伝統的に胴の左右に「耳」つまり布製の引き手がつくことで着装を容易にしているのだが、ここいらのクラスになると引き手が(胴の背部に)一箇所だけだったり写真のように一切引き手のないタイプがあったりと独自のデザインで仕立てられていたりする。個人の特注なので当然といえば当然だが、外地(チェコや東独、ブルガリアなど)で仕立てられた製品がその土地のスタイルで仕上がる場合もあるためまことに興味深い。右側の茶革長靴は第二次大戦期のレンドリース品(ソールが米国製)である。ソ連軍制式の茶革長靴というと20年代の民族騎兵の一部(カフカス風の軟胴だが)以外ほとんど見られない。大戦時の茶革ブーツといえばほぼ供与品か捕獲品と見るのが妥当だろう。

再録135・軍靴(3)

左側、婦人用の短ブーツには多くのバリエーションがあるが、これは本革製。戦争直後位までは合皮製の婦人靴も見られるが55年くらいになると(下士官以下の)女性兵士も(男性)士官に準じた高品質の装備が支給されるよう定められたため合皮の女性用ブーツは姿を消していく。女性士官に関して言えば実に雑多なデザインの(民生用)ブーツを着用していることが各種報道写真から察せられる。右側の空挺ブーツはモスクワ近郊の訓練施設から出たもので一般の空挺兵が使用されていたものとは言いがたい。以前入手した典型的なソ連空挺士官用編上靴を紹介するべきだろうが、もう数年前に手放してしまったことが惜しまれる。ちなみにソ連で空挺編上靴が採用される以前、
http://www.ww2.ru/forum/index.php?act=Attach&type=post&id=79258
このような空挺ブーツが試作され、一部使用されていたらしいが。追記・結局入手した。

再録135・軍靴(3)

以前紹介した騎兵用ブーツだが改めて画像を示した。つま先と胴体部の継ぎ目(切り替えし)がないことがわかる。右側はモスクワの見本市で購入したタタール共和国の室内用ブーツ。ゴム製の(通常ワレンキと組み合わせる)ガローシャを重ね履きすることで室外用にも用いられる。コサックの一部ではこの手のブーツを愛用する者も見られるという。民生品ではあるがなかなか面白い品である。
(2006/12/29)



Posted by Yakov at 17:14│Comments(0)
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。