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Yakov

2009年09月27日

刺繍(3)

 今回は刺繍の技術面・・・と言うほどややこしい話ではないのだが。

刺繍(3)

ソ連の刺繍工房に納品される金コイル及び銀コイルを以前某知人から購入した。純金と純銀製品のため当時の金地金相場で購入・・・と言う、まことに洒落にならない展開ではあったのだが、日本の手芸品屋で微量のコイルをいちいち購入することを思えばまあ止むを得ない。
現代ロシアでは将官用の刺繍さえ真鍮コイルあるいは真鍮メッキ卑金属に成り果ててしまった以上、これまたコレクションであるわけだ。ま、実用に供する根気はちょっと持ち合わせていないのだが(笑)。

刺繍(3)

上記のコイルは中心に木綿糸を通して土台に固定するわけだが、いわゆる金糸・銀糸刺繍に利用する糸もディテールによってはある程度使用することになる。少量ながら確保せねばならない資材なのだ。

刺繍(3)

現代ロシア・小型船舶監視官の制帽ツバ用オーナメントだが、2枚目の画像にある金糸によるミシン刺繍でこと足れり、という製品が増えてきたのが現状である(悲)。

刺繍(3)

将官礼服、あるいは軍楽隊礼服の袖章のベースとなる厚紙製型紙。ソ連のコイル刺繍の緩やかな盛り上がりは表生地にこのような型紙を置き、綿糸を通したコイル金糸で紙の表面を覆っていく・・・という手法をとっているのだ。当然裏側には堅い綿布を敷き、刺繍が終ったあとは糊(多くは小麦を軟らかく煮たでんぷん糊)で固める・・・というのが基本手技なのだ。

刺繍(3)

中には金コイル刺繍と色とりどりの絹糸を駆使して複雑な紋章を仕上げねばならないこともある。
この例は(よくわからないが多分)モザンビーク辺りの高級将校の徽章用型紙だろう。
「モザンビーク国家元帥」とか言う階級があったのかどうかは知らないが(笑)。

刺繍(3)

これはオマケで50年代将官常勤服の絹糸による襟刺繍。まあ見たまんまである。




Posted by Yakov at 23:01│Comments(0)
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